Webページを見る見ないはページを開いた一瞬で判断されると言います。
瞬間的に見たいと思うデザインやレイアウトであれば見てもらえますし、逆にパッと見て興味が持たれなければ見てもらえません。
デザインはそのページに滞在するか重要な要素になりますが、視覚的デザインがどのような状態だと見てもらえるのかわかるでしょうか?
どのようなページのデザインやレイアウトだと人は滞在しやすいのかということを検証した研究があるので、こちらを参考に考えていきましょう。
実験手順
INSEEC Grande Ecole (France)の研究で視覚的デザインが魅力的なWebサイトは、消費者のサイト利用前後でどのような影響を与えるのかを前提実験と本実験の2段階で検証。
〈前提実験〉
①フランスの大学生92名を対象に、潜在的連合テストにより、「視覚的なデザイン」と「抽象性」との連想関係を調べました。
人の無意識下の潜在的態度を測定するためのテスト。
潜在的連合テスト:単語や言葉の分類作業を通して、概念と概念の結びつきの強さを図る。
②フランスの大学生30名を対象に、架空のwebサイトを見せ、その視覚的デザインや使いやすさについて考えさせた後に、行動特定方式に基づくアンケートをとり、ある行動の解釈レベルが高いか低いかを答えてもらいました。
※本研究での解釈レベルの枠組み
《webサイトを使う前》
心理的距離が遠い=抽象性が高い=解釈レベルが高い
《webサイトを使った後》
心理的距離が近い=具体性が高い=解釈レベルが低い
ここでの解釈レベルについては、先行研究において、解釈レベルが高いとき、人は物事の望ましさ、すなわち好ましい側面や便益に着目しやすいとされています。また別の先行研究においては、人は対象の物事について詳しい知識を持っている方が、解釈レベルの高い抽象性をもって解釈できるとされています。
〈本実験〉
①18歳以上のフランス人235名をグループ分けし、webサイトを見せた上で「視覚的デザインが魅力的or魅力的でない」「サイトを使用したいか・他の人に薦めたいか」という7段階回答方式の質問に、webサイトを使う前後の2回に分けて答えてもらいました。

色遣いの調和、左右対称性、丸みを帯びた図形の使用のことを指します。
視覚的デザインの例:魅力的でない(左)、魅力的(右)
②18歳以上のフランス人225名をグループ分けし、視覚的デザインが魅力的なor魅力的でないwebサイトを使用させた後にサイト内検索についての課題を出し、課題への正解度を点数で評価します。
その上で、サイトを使用したいか・他の人に薦めたいかという7段階回答方式の質問に答えてもらいました。
実験結果
〈前提実験①の結果〉
「視覚的なデザイン」と「抽象的」との間の連想関係が証明されました。
〈前提実験②の結果〉
被験者がwebサイトの「使いやすさ」について考えた後よりも、「視覚的デザイン」について考えた後の方が、物事の解釈レベルが高く評価されたことから、視覚的デザインと解釈レベルの高さとの間には関連があることがわかりました。
〈本実験①の結果〉
webサイト使用前に質問に回答した場合、魅力的なデザインは、サイトを使用したい・他の人に薦めたいという意図とプラスの関係になりました。一方で、webサイトの使用後に回答した場合、有意な影響は見られませんでした。
〈本実験②の結果〉
webサイト使用前後のどちらの質問に回答した場合であっても、参加者がwebサイトの使い方に習熟すればするほど、魅力的な視覚的デザインは、サイトを使用したい・他の人に薦めたいという意図とプラスの関係になりました。
まとめると、Webサイトの第一印象として、視覚的デザインが魅力的なWebサイトは、商品サービス購入前の利用者に魅力を感じさせるのに大変効果的です。
さらには、Webサイトの使いやすさが購入意思の決定に強い影響を与えます。
視覚的デザインと合わせて、Webサイトの使い方のサポートが、売上および利益を大きく左右する
Bookmarkチームの
活用考察
以前にも「美しいページデザインだと売上があがるのか?」という記事でも似たような結論になっていましたね。
第一印象が良いサイトは購入前には効果的だけれど、利用後はデザイン性よりも使いやすさが売上に影響を与えるということでしたね。
では第一印象が魅力的なデザインとは何なのかというと「色遣いの調和」「左右対称性」「丸みを帯びた図形」が良いということです。
第一印象で滞在してもらうために、デザインに違和感を入れたり、インパクトのあるデザインなど使われたりしますが、それよりも上記3要素を整える方が良いと思います。
また、リピートに関してデザイン性より利用しやすさが求められるなら、デザインの違和感やインパクトあるデザインはマイナスに働くので、その戦略はあまりよくないと判断できます。
Inspired by Visual design and online shopping experiences: When expertise allows consumers to refocus on website attractiveness/INSEEC Grande Ecole (France)/2019/https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/20515707221087627